【第7話】不動産賃貸業の会計ソフト選びで迷った話|freee・マネーフォワード・やよい会計を比較した実体験

不動産投資

不動産投資の実践記録|買えなかった物件から始まった資産形成

前回の記事では、1棟目アパートを購入した後の空室対策、4月に満室となったこと、5月に信金さんへ決算報告を行ったことについて書きました。

購入直後は空室もあり、空室対策にかかる費用も先に出ていきました。

手元の現預金は、購入時の諸経費にほぼ投じたような状況。

不動産用の家賃口座にも、まだ十分なお金はありませんでした。

そんな中で、空室対策費用を自己資金から持ち出す必要があり、購入してから3月頃までは本当に苦しかったです。

それでも、4月には満室となり、ようやく少しずつ余裕が出てきました。

5月には、初年度の決算報告を兼ねて信金さんを訪問。

初年度は会計上赤字でしたが、4月の満室時の送金明細も持参し、購入後の取り組みや今後の見通しを説明しました。

その結果、赤字という結果だけではなく、満室にするまでの取り組みを評価していただくことができました。

今回は、その決算報告の裏側にあった話です。

実は、そこにたどり着くまでには、初めての不動産賃貸業の会計処理と確定申告がありました。

そして、その最初の入口が、会計ソフト選びでした。

不動産を買ったら、会計も始まる

1棟目アパートを購入する前、私は不動産投資についてそれなりに考えていたつもりでした。

物件価格。

利回り。

土地値。

築年数。

空室リスク。

修繕リスク。

融資条件。

こうしたことは、購入前から意識していました。

ただ、実際に購入へ進むとなると、それだけでは終わりません。

不動産賃貸業として、会計処理をしていく必要があります。

家賃収入を記録する。

経費を管理する。

借入金を管理する。

固定資産を登録する。

減価償却を行う。

確定申告をする。

不動産投資は、買ったら終わりではありません。

買った後は、事業として数字を管理していく必要があります。

ここでまず悩んだのが、

どの会計ソフトを使うか

という問題でした。

これまでの確定申告とは違った

私はこれまでも確定申告をしたことはありました。

ただ、その内容は主に、

株の税金還付。

ふるさと納税。

医療費控除。

こうしたものが中心でした。

つまり、個人としての控除や還付のための確定申告です。

もちろん、それでも最初は分からないことがありました。

ただ、不動産賃貸業の青色申告は、これまでの確定申告とはまったく違うと感じました。

不動産賃貸業では、収入と経費を継続的に記録し、最終的に決算書を作る必要があります。

しかも、単純に家賃収入と支出を入れれば終わりではありません。

建物や設備は固定資産として登録する必要があります。

減価償却もあります。

借入金の返済も、元金部分と利息部分で扱いが違います。

購入時の諸費用もあります。

印紙代。

仲介手数料。

司法書士への報酬。

登記関係の費用。

火災保険。

部屋に設置する備品。

管理会社さんや関係者との打ち合わせ費用。

こうしたものを、どのように整理していくのか。

ここからすでに、分からないことだらけでした。

前職でBS・PLに触れていたので、少し甘く見ていた

正直に言うと、私は会計についてまったくの初心者という感覚ではありませんでした。

前職で、BSやPLを見る仕事に携わっていた経験があったからです。

財務分析の仕事をしていたこともあり、数字を見ること自体に強い抵抗はありませんでした。

貸借対照表。

損益計算書。

売上。

利益。

資産。

負債。

自己資本比率。

そういった言葉には、ある程度なじみがありました。

そのため、不動産賃貸業の青色申告についても、心のどこかでこう思っていました。

大枠は分かるし、自分なら何とかなるだろう。

今思えば、ここが少し甘かったです。

BSやPLを読むことと、自分で会計処理をすることは、まったく別物でした。

決算書を見ることはできても、日々の支出をどの勘定科目で登録するのかを判断するのは別です。

財務分析をすることと、自分の不動産賃貸業の帳簿を作ることも別です。

固定資産の登録。

減価償却。

借入金の処理。

事業主借。

事業主貸。

不動産用の勘定科目。

こうした実務に入ると、想像以上に細かい判断が必要でした。

この時点では、まだその大変さを十分には分かっていませんでした。

税理士に頼まず、自分でやると決めていた

もちろん、税理士さんにお願いするという選択肢もあったと思います。

ただ、当時の私には、税理士さんに依頼する金銭的な余裕はあまりありませんでした。

1棟目アパートの購入では、手元資金の多くを諸経費に使っています。

購入後も空室対策の支出が見込まれていました。

その状況で、最初から税理士さんにお願いする余裕は正直ありませんでした。

ただ、それ以上に大きかったのは、

自分で体験して、経験して、力をつけたい

という思いです。

不動産賃貸業を始める以上、収入や経費、借入金、減価償却、税金の流れを自分でも理解したい。

最初からすべて人任せにするのではなく、一度は自分でやってみたい。

そう考えていました。

もちろん、専門家に頼ることが悪いという意味ではありません。

むしろ、分からない部分や不安な部分は税理士さんに確認した方が良い場面もあると思います。

ただ、私の場合は、まず自分で会計ソフトを使ってやってみることにしました。

費用を抑えるためだけではなく、自分で経験して力をつけるために、会計ソフトを使う。

その前提で、自分に合うソフトを探し始めました。

会計ソフト選びは、決済日の1か月以上前から悩んでいた

1棟目アパートの決済日が近づく中で、私は会計ソフト選びにもかなり悩んでいました。

実は、決済日の1か月以上前から調べていました。

候補にしていたのは、主に3つです。

freee。

マネーフォワード。

やよい会計。

どれも有名な会計ソフトです。

ネットで検索すれば、比較記事もたくさん出てきます。

公式サイトも見ました。

料金も確認しました。

機能も見ました。

口コミも調べました。

ただ、調べれば調べるほど、逆に迷いました。

どれも良さそうに見える。

でも、どれにも気になる点がある。

まさに一長一短でした。

料金だけでは決められなかった

料金面も確認しました。

もちろん、プランやキャンペーン、サポート内容によって違いはあります。

ただ、私が比較していた時点では、実用的に使おうとすると、どのソフトも月額換算でおおむね数千円程度という印象でした。

大きく見れば、月3,000円前後の範囲で考えればよく、料金だけで決めるほどの大きな差は感じませんでした。

もちろん、最安プランだけを見れば差はあります。

ただ、初めての不動産賃貸業の青色申告で、ある程度安心して使いたいと考えると、料金よりも、

自分で続けられるか。

操作が分かりやすいか。

不動産賃貸業の申告までたどり着けそうか。

開業届や青色申告承認申請まで対応しやすいか。

日々の経費登録がしやすいか。

このあたりの方が重要だと感じました。

費用を理由に選ぶというより、実用性と自分でやりやすいかを基準に選ぶ。

その方向で考えることにしました。

マネーフォワードは勢いがあるイメージだった

マネーフォワードは、個人的には勢いがあるイメージでした。

家計簿アプリやクラウド会計の印象もあり、銀行口座やクレジットカードとの連携も強そうに見えました。

画面も比較的見やすそう。

クラウド会計としての知名度も高い。

事業用の会計ソフトとして使っている人も多そう。

そういう印象がありました。

不動産賃貸業でも使えるのではないか。

そう思いながら調べていました。

ただ、実際に不動産賃貸業で使う場合、自分のような初心者がどこまでスムーズに使えるのかは分かりませんでした。

銀行口座やカードとの連携が便利でも、最終的に必要なのは不動産所得の申告です。

固定資産や減価償却、借入金処理まで含めて、自分が迷わず進められるのか。

そこが不安でした。

やよい会計も悪くなさそうだった

やよい会計も、もちろん候補に入れていました。

会計ソフトとしての実績があります。

昔から使われているイメージもあり、安心感はありました。

「会計ソフト」と聞くと、やよいを思い浮かべる人も多いと思います。

実績や安定感という意味では、かなり魅力がありました。

ただ、私の場合は、初めての不動産賃貸業の青色申告です。

使いやすさ。

画面の分かりやすさ。

ネットで調べた時の情報量。

スマホでの記録のしやすさ。

そういった面も重視したいと思っていました。

やよい会計も悪くなさそう。

でも、自分にとって一番合うかどうかは、最後まで判断しきれませんでした。

freeeは初心者でも進めやすそうに見えた

freeeは、初心者にも分かりやすく進められそうな印象がありました。

画面の案内に沿って入力していけば、開業届や青色申告承認申請もできそうに見えました。

スマホでレシートを撮影して記録できる機能もありました。

初めて不動産賃貸業の会計処理をする自分にとって、こうした機能は魅力的でした。

もちろん、freeeにも不安はありました。

本当に不動産所得の申告まで迷わず進められるのか。

固定資産や借入金の処理でつまずかないか。

サポートやAIチャットで解決できるのか。

分からない部分も多くありました。

それでも、最初の一歩を踏み出しやすそうに見えたのはfreeeでした。

最終的にはマネーフォワードとfreeeの2択になった

いろいろ調べた結果、最終的にはマネーフォワードとfreeeの2択になりました。

どちらもクラウド型で、銀行口座やクレジットカードとの連携もできる。

スマホからも使いやすそう。

初心者向けの情報も多い。

この2つでかなり悩みました。

マネーフォワードは、勢いがあり、連携も強そう。

freeeは、初心者にも分かりやすく進められそう。

ただ、どちらにも良い点があり、どちらにも不安がありました。

私の周りには、不動産投資をしている人がほとんどいません。

不動産賃貸業の確定申告を実際にやっている人に、

「どれが使いやすいですか?」

と聞ける環境もありませんでした。

ネットで調べても、最後の最後は自分で判断するしかありません。

今思えば、ここも不動産投資の孤独な部分だったかもしれません。

物件を買う時もそうです。

融資を受ける時もそうです。

会計ソフトを選ぶ時もそうです。

最終的には、自分で調べて、自分で決めるしかありません。

決済日直前にfreeeに決めた

かなり悩みましたが、最終的に私はfreeeを使うことに決めました。

決めたのは、決済日直前でした。

1か月以上前から悩んでいたのに、最後の最後まで決めきれなかったのです。

freeeに決めた理由は、総合的に見て、自分にとって一番進めやすそうだと感じたからです。

初心者向けの印象があったこと。

画面の案内に沿って進められそうだったこと。

開業届や青色申告承認申請にも対応していたこと。

スマホでレシートを撮影して記録できる機能があったこと。

こうした点を見て、freeeなら何とか進められるのではないかと思いました。

この時の私は、まだこう考えていました。

会計ソフトを使えば、ある程度は自動で何とかなるだろう。

今振り返ると、かなり甘かったです。

ただ、この時点では本当にそう思っていました。

決済日に開業届と青色申告承認申請を行った

1棟目アパートの決済日。

この日は、私にとって不動産賃貸業のスタートの日でもありました。

物件の決済が終わり、いよいよ自分が大家になる。

そのタイミングで、私は開業届と青色申告承認申請も行いました。

freeeのソフトを使って申請しました。

初めてのことなので、不安はありました。

本当にこれで合っているのか。

入力内容に間違いはないのか。

申請できているのか。

そういう不安はありました。

ただ、開業届と青色申告承認申請については、比較的スムーズに進めることができました。

画面の案内に沿って入力し、必要な内容を確認しながら進めていく。

この部分については、思っていたよりも分かりやすかったです。

この時は、正直こう思いました。

freeeを選んで良かったかもしれない。

会計ソフト選びであれだけ悩みました。

決済日直前まで迷いました。

でも、開業届と青色申告承認申請が比較的スムーズにできたことで、少し安心しました。

スタートは順調に見えた

freeeを使い始めた当初は、便利だと感じる場面もありました。

特に印象に残っているのが、領収書やレシートの撮影読み込み機能です。

スマホでレシートを撮影して、経費として登録していく。

この機能は、かなり便利に感じました。

決済時の印紙代。

仲介手数料。

司法書士への報酬。

部屋に設置する備品。

管理会社さんや関係者との打ち合わせ費用。

空室対策にかかった細かい支出。

申告までの数か月間、こうした支出をこまめに撮影して記録していました。

カシャカシャ撮影して、経費を登録していく。

その時点では、

これなら何とかいけそうだ。

そう思っていました。

会計ソフトも決めた。

開業届も出した。

青色申告承認申請も出した。

レシートも撮影している。

経費も登録している。

一見すると、順調に進んでいるように感じました。

でも、本当に大変だったのはここからでした。

後から気づいた「不動産用の科目」の問題

後になって、私は大きなミスに気づきます。

それが、勘定科目の登録です。

私は最初、部屋に設置する備品などを普通の「消耗品費」として登録していました。

管理会社さんや関係者との打ち合わせ費用も、普通の「交際費」として登録していました。

一見すると、間違っていないように思えます。

備品だから消耗品費。

打ち合わせだから交際費。

そう考えて登録していました。

ところが、不動産賃貸業の経費として反映させるには、「(不)消耗品費」「(不)交際費」のような、不動産用の科目で登録する必要があることに後から気づきました。

通常の「消耗品費」や「交際費」で登録してしまうと、一般の事業の経費として扱われ、不動産賃貸業の経費に反映されない。

このことに気づいた時は、かなりショックでした。

数か月間、こまめにレシートを撮影して登録してきた経費。

スムーズに進んでいると思っていた作業。

それを、もう一度見直して、不動産用の科目に修正する必要が出てきました。

正直、心が折れそうになりました。

ちゃんと記録していたのに。

こまめに撮影していたのに。

ここから全部やり直しなのか。

そう思いました。

便利な機能だけでは、申告は終わらない

freeeの撮影読み込み機能は便利です。

これは今でもそう思います。

レシートをスマホで撮影して、記録を残せるのは助かりました。

ただ、便利な機能を使っていても、登録する科目や処理方法を間違えると、後でかなり大変になります。

特に不動産賃貸業の場合、一般の事業とは別に、不動産所得として処理する必要があります。

このあたりをよく分かっていないまま進めると、私のように後から修正することになります。

会計ソフトを使えば、何でも自動で正しく処理してくれる。

当時の私は、どこかでそう思っていました。

でも実際には、ソフトはあくまで道具です。

何を、どの科目で、どの事業に紐づけて登録するのか。

そこを判断するのは自分です。

ここで、前職でBSやPLを見ていた経験があっても、実際の会計処理は別物だと痛感しました。

第7話で伝えたいこと

今回の話で伝えたいのは、

freeeが良い、悪い

という話ではありません。

マネーフォワードが良い。

やよい会計が良い。

freeeが良い。

そういう単純な話でもありません。

大切なのは、自分の事業に合った会計ソフトを選び、そのソフトの仕組みを理解して使うことだと思います。

私の場合は、総合的に判断してfreeeを選びました。

開業届と青色申告承認申請は、比較的スムーズに進めることができました。

レシート撮影機能も便利でした。

ただ、その後の経費登録や不動産用の科目設定で大きくつまずきました。

会計ソフトは便利です。

でも、便利だからこそ、分かったつもりで進めてしまう怖さもあります。

初めての不動産賃貸業の青色申告では、そこを強く感じました。

まとめ|会計ソフト選びから、すでに青色申告は始まっていた

1棟目アパートを購入する前、私は会計ソフト選びでかなり悩みました。

税理士さんに頼む余裕があまりなかったこともあります。

ただ、それ以上に、自分で体験して、経験して、力をつけたいという思いがありました。

そのため、費用だけで決めるのではなく、実用性や自分でやりやすいかを重視しました。

最終的には、総合的に判断してfreeeを選びました。

決済日には、freeeを使って開業届と青色申告承認申請を行いました。

この申請自体は比較的スムーズでした。

レシートの撮影読み込み機能も便利で、申告までの数か月間は、経費登録も順調に進んでいるように感じていました。

しかし後になって、不動産用の科目で登録しなければならないことに気づきます。

普通の消耗品費や交際費で登録していたものを、不動産賃貸業の経費として反映させるために修正する必要が出てきました。

この時、私は痛感しました。

会計ソフトを選ぶことは、青色申告のスタートでしかない。

本当に大変なのは、そのソフトを使って、正しく帳簿を作っていくことでした。

次回は、freeeの撮影機能で順調だと思っていた経費登録が、科目違いで全部やり直しになった話をもう少し詳しく書いていきたいと思います。

そして、そこから数字が合わず、AIチャットに相談してもなかなか進まなかった、初めての青色申告の苦労についても続けて書いていきます。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

※本記事は私個人の体験談であり、特定の会計ソフトの利用をすすめるものではありません。また、税務処理については個別の状況により異なる場合がありますので、必要に応じて税理士や税務署等へご確認ください。

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