リョータの投資カルテ VOL.4

今回診察する銘柄は、**飯田グループホールディングス(3291)**です。
現在の保有株数は、なぜか中途半端な48株。
この48株は、私が飯田グループHDを直接購入したものではありません。
投資を始めて間もない頃、当時の余剰資金のほとんどを投入して購入した、経営統合前のアーネストワン株が姿を変え、現在まで残っているものです。
当時の私は、低価格住宅を武器に販売棟数を伸ばすアーネストワンを見て、
この会社は必ず伸びる
と確信しました。
今回は、現在の「バーゲンハンター」という投資スタイルの原点ともいえる銘柄を診察します。
今回の患者
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 銘柄 | 飯田グループホールディングス |
| 証券コード | 3291 |
| 当初購入銘柄 | アーネストワン |
| 当初保有株数 | 300株 |
| 当初購入単価 | 約750円 |
| 当初投資額 | 約22万5,000円 |
| 現在保有株数 | 48株 |
| 今回の期末配当 | 2,160円・税引前 |
| 通称 | バーゲンハンター |
| 持病 | 優良割安株欲しい病 |
※過去の取引履歴が残っていないため、取得情報は当時の記憶と現在の保有株数から再構成した概算です。
総合評価
| 診察項目 | 評価 |
|---|---|
| 配当 | ★★★★☆ |
| 割安度 | ★★★★☆ |
| 財務 | ★★★★☆ |
| 業績 | ★★★★☆ |
| 株主優待 | ★★☆☆☆ |
| 思い入れ | ★★★★★ |
| 総合評価 | ★★★★☆ |
診断
投資初期の確信と集中投資が実を結び、利益確定後も48株が配当を運び続ける「バーゲンハンター原点の株」です。
現在の48株は、資産形成の主力となるような保有量ではありません。
しかし、この48株には、
- 企業の成長を見抜こうとした経験
- 余剰資金のほとんどを投入した決断
- 高配当を受け取りながら待った期間
- 6社による経営統合
- 株主優待
- 株価上昇後の利益確定
という、私の投資初期の歴史が詰まっています。
今回の配当金
2026年3月期の期末配当は、1株当たり45円でした。
48株×45円=2,160円
今回受け取った配当金は、税引前で2,160円です。
2026年3月期の年間配当は、中間55円、期末45円の合計100円。中間配当には10円の記念配当が含まれていました。
2027年3月期は、中間46円、期末46円の年間92円が予想されています。
48株を保有した場合の年間配当予想は、
48株×92円=4,416円
です。
取得情報|購入したのはアーネストワン
私が購入したのは、飯田グループHDではありません。
経営統合前のアーネストワンです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 購入時期 | 2011年秋頃 |
| 購入株数 | 300株 |
| 購入単価 | 約750円 |
| 投資金額 | 約225,000円 |
アーネストワン株は、2012年3月期に安値692円、高値991円で推移していました。購入単価が750円前後だったという記憶とも整合します。
低価格を武器に伸びるパワービルダー
私がアーネストワンに注目した理由は、配当利回りだけではありません。
当時のアーネストワンは、徹底した原価管理によって建築コストを抑え、手の届きやすい価格で戸建住宅を供給していました。
住宅は非常に高額な商品です。
その中で、品質を保ちながら購入しやすい価格を実現できる会社は、今後さらに販売棟数とシェアを伸ばしていく。
私はそう考えていました。
2012年3月期の売上高は1,872億75百万円で、前期比16.5%増。戸建分譲では販売単価が下がった一方、販売棟数の増加によって売上高を伸ばしていました。
安く売るだけではなく、販売棟数を増やすことで会社全体を成長させている。
そこに、パワービルダーとしての圧倒的な強さを感じました。
財務健全・取得利回り5%超
2012年3月期の自己資本比率は67.5%、年間配当は1株40円でした。
購入単価を750円とした場合の取得配当利回りは、
40円÷750円×100=約5.33%
です。
当時の私には、
- 低価格住宅による成長性
- 販売棟数を伸ばす事業モデル
- 自己資本比率67.5%の財務基盤
- 5%を超える取得配当利回り
- 株価上昇を待つ間も配当を受け取れる安心感
がそろった、非常に魅力的な会社に見えました。
「必ず伸びる」と確信して集中投資
投資を始めてまだ間もない時期でしたが、私は、
この会社は必ず伸びる
という強い確信を持っていました。
そのため、当時持っていた余剰資金のほとんどをアーネストワン株につぎ込みました。
今振り返れば、かなり思い切った集中投資です。
当時は分散投資という考え方も今ほど身についておらず、低価格住宅への需要、会社の成長性、財務、高配当を自分なりに分析し、その判断にほぼ全力で賭けました。
もちろん、確信があっても、絶対に成功する保証はありません。
想定外の業績悪化や不祥事、住宅市場の変化が起これば、大きな損失を受ける可能性もありました。
しかし今回は、自分で調べて信じた会社に資金を投じ、その後の成長と株価上昇によって結果がついてきました。
現在の「業績と財務が良いのに、まだ株価が安い会社を探す」というバーゲンハンターの投資スタイルは、この頃から始まっていたのだと思います。
2013年に6社が経営統合
2013年11月1日、次の住宅会社6社が共同株式移転によって経営統合し、飯田グループホールディングスが設立されました。
- 一建設
- 飯田産業
- 東栄住宅
- タクトホーム
- アーネストワン
- アイディホーム
経営統合では、各社の販売網や仕入れ情報、資材調達力を活用し、競争力とシェアを高めることが目指されていました。
アーネストワン300株が348株へ
共同株式移転では、アーネストワン株1株につき、飯田グループHD株1.16株が割り当てられました。
飯田グループHDの売買単位は100株です。
私がアーネストワンを300株保有していた場合は、
300株×1.16=348株
となります。
この計算は、現在の保有株数48株とも完全に一致します。
江の島アイランドスパの株主優待
飯田グループHD株を100株以上保有していた時期には、江の島アイランドスパで使える株主優待券も受け取っていました。
記憶の中では「アーネストワンを持っていた頃にもらった優待」でしたが、実際には、アーネストワンから移行した飯田グループHD株による優待だったと考えられます。
現在は毎年3月31日時点で100株以上1,000株未満を保有する株主に、江の島アイランドスパの温泉・プールエリア利用券4枚が贈られます。
アーネストワンへの投資では、配当と値上がりだけでなく、経営統合後には株主優待まで受け取ることができました。
300株を約2,400円で売却
飯田グループHDの株価が2,400円前後まで上昇したタイミングで、単元株部分の300株を売却しました。
300株×約2,400円=売却代金約72万円
72万円は利益額ではなく、売却代金です。
当初の投資金額は約22万5,000円でしたが、取得価額は飯田グループHD348株へ引き継がれているため、正確な実現利益は過去の取引履歴がなければ計算できません。
それでも、投資した金額を大きく上回る売却代金を回収し、さらに48株が手元に残りました。
48株だけが残った理由
348株のうち300株を売却したことで、単元未満の48株が残りました。
特別な狙いがあって48株を残したわけではありません。
単元未満株を売却する手続きが面倒だったこともあり、そのまま放置していました。
その後も配当金が入ってくるため、急いで売却する理由もなく、気がつけば十数年保有しています。
現在情報
2026年7月13日時点の主な指標です。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 株価 | 2,210.5円 |
| 保有株数 | 48株 |
| 評価額 | 106,104円 |
| 2027年3月期配当予想 | 92円 |
| 予想配当利回り | 4.16% |
| 予想PER | 9.33倍 |
| PBR | 0.60倍 |
| 自己資本比率 | 50.8% |
売却代金約72万円と現在の評価額を単純に合計すると、約82万6,000円です。
ここには、これまで受け取った配当金や株主優待の価値は含まれていません。
業績ポイント
2026年3月期は、増収増益となりました。
| 項目 | 2026年3月期 | 前期比 |
|---|---|---|
| 売上収益 | 1兆5,088億円 | +3.4% |
| 営業利益 | 944億円 | +17.4% |
| 税引前利益 | 899億円 | +21.0% |
| 親会社帰属利益 | 633億円 | +24.9% |
2027年3月期は、売上収益1兆6,630億円、営業利益1,036億円、親会社帰属利益655億円が予想されています。
足元の業績は堅調です。
一方で、建築コストや地価の上昇、住宅ローン金利、購入者の購買意欲などの影響を受けやすい事業である点には注意が必要です。
財務面の注意点
2026年3月期末の親会社所有者帰属持分比率は50.8%です。
一定の財務基盤は維持していますが、棚卸資産が前期末から大きく増加し、営業キャッシュフローは974億85百万円のマイナスとなりました。
分譲住宅会社では、土地や完成在庫の仕入れによってキャッシュフローが大きく動きます。今後も在庫と借入金の推移は確認していく必要があります。
株主優待
現在の株主優待は、毎年3月31日時点で100株以上を保有している株主が対象です。
100株以上1,000株未満では、江の島アイランドスパの温泉・プールエリア利用券4枚が贈られます。
私は現在48株しか保有していないため、優待の対象外です。
あと52株を買い増せば100株になりますが、優待を得るためだけに追加投資する予定はありません。
投資判断
現在の飯田グループHDは、
- 配当利回り4%超
- PBR0.60倍
- 予想PER9倍台
- 2026年3月期は増収増益
- 2027年3月期も増収増益予想
と、バーゲンハンターが反応しそうな水準です。
ただし、私はすでに単元株部分を売却し、投資元本を大きく上回る売却代金を回収しています。
現在の48株を、資産形成の主力として買い増す考えはありません。
この株は、配当や優待の効率を追求する対象ではなく、投資初期の成功体験を残す記念株です。
集中投資から学んだこと
アーネストワンへの投資は、結果として成功しました。
しかし、結果が良かったからといって、余剰資金のほとんどを一つの銘柄へ投入したことにリスクがなかったわけではありません。
企業をどれほど調べても、想定外の出来事は起こります。
「この会社は必ず伸びる」という確信は、投資を決断する力になりました。
一方で、確信が強すぎると、リスクを見落とす原因にもなります。
現在の私なら、どれほど魅力を感じる会社であっても、当時と同じような資金集中は慎重に考えると思います。
それでも、自分で事業内容と財務を調べ、自分の判断で資金を投じたこの経験は、その後の投資スタイルを形づくる大きな土台になりました。
処方箋
追加投資は行わず、48株のまま経過観察。
単元未満株だからといって、無理に売却する必要もありません。
配当を受け取りながら、投資を始めた頃の判断と成功体験を思い出す銘柄として保有を続けます。
これから受け取る配当金は、昔の自分から届く小さなボーナスのようなものです。
まとめ
飯田グループHDの48株は、経営統合前のアーネストワン300株から生まれた端数株です。
アーネストワン300株を約750円で購入
↓
「必ず伸びる」と確信し、余剰資金のほとんどを投入
↓
共同株式移転で飯田グループHD348株へ
↓
江の島アイランドスパの株主優待を受領
↓
300株を約2,400円で売却
↓
単元未満の48株が残る
約22万5,000円から始まった投資は、約72万円の売却代金、現在約10万6,000円相当の48株、十数年間の配当金、そして株主優待を残しました。
保有株数は、わずか48株です。
しかし、この48株には、企業分析、集中投資、経営統合、株主優待、株価上昇、利益確定という私の投資初期の歴史が詰まっています。
これからも、バーゲンハンターの原点であり、投資人生のタイムカプセルとして、静かに配当を受け取り続けます。
※本記事は個人の投資記録であり、特定銘柄の購入や売却を推奨するものではありません。取得株数、取得価格、取得時期および売却価格は、過去の取引履歴が残っていないため、当時の記憶と現在の保有株数をもとに再構成した概算です。


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