不動産投資の実践記録|買えなかった物件から始まった資産形成
前回は、怖さが消えないまま満額で買付を入れた話を書きました。
築古で空室もある物件。最初は指値も考えましたが、売買担当者さんから「土地値に近い物件なので、満額で手を挙げる人はいると思う」と言われ、最終的には満額で買付を入れました。
ただ、買付を入れたからといって、物件を買えるわけではありません。私の場合、融資がつかなければ買えない。今回は、買付を入れた2日後の休日に、まず第一地銀へ飛び込み相談した時の話を書いていきます。
本記事は私個人の体験談であり、特定の不動産購入や投資判断、融資利用をすすめるものではありません。
買付後、すぐに融資相談へ動く必要があった
満額で買付を入れた時、少しだけ前に進んだ感覚はありました。ようやく動いた。ようやく一歩踏み出した。そんな気持ちはありました。
ただ、冷静に考えれば、まだ何も決まっていません。売主さんが買付を受けてくれるかどうか。契約条件がまとまるかどうか。そして何より、融資がつくかどうか。
現金で買えるなら話は別ですが、私の場合はそうではありませんでした。株式資産はある程度ありました。配当収入もありました。ただ、現金で1棟アパートを買えるほどの手元資金があったわけではありません。
つまり、融資を使えなければ、この物件は買えないということです。
しかも今回の物件は、一般公開前のクローズド案件でした。売買担当者さんからも、土地値に近い物件なので満額で手を挙げる人はいると思うと言われていました。
買付を入れた以上、のんびりしている余裕はありません。その2日後の休日、私は金融機関へ相談に行くことにしました。
まず向かったのは第一地銀だった
その日、まず朝一番で向かったのは第一地銀でした。
ただ、この第一地銀には事前にアポイントを取っていませんでした。いわゆる飛び込みでの相談です。
理由は、正直なところ、本命の相談先ではなかったからです。
1棟目の築古アパート。しかも、初めての不動産投資。今回のような築30年超の木造アパートが、第一地銀の融資の土台に乗る可能性は高くないだろうと感じていました。
以前に後輩からアパート購入の相談を受けた時も、私は同じように話していました。
「築古アパートは、第一地銀ではテーブルに乗りにくいと思う」
そんなアドバイスをしていたのです。
それでも、最初に第一地銀へ行った理由があります。
第一地銀は、金利が比較的低いという認識があったからです。不動産投資では、金利の差は大きいです。借入期間が長くなればなるほど、金利の違いは返済額や手残りに影響します。
もし万が一、第一地銀で相談の土台に乗る可能性があるなら、確認しない理由はありません。
可能性は低いと思っている。でも、ゼロだと決めつけて確認しないのも違う。そんな気持ちでした。
土地値と株式資産で、万が一の可能性を期待していた
第一地銀では厳しいだろうと思いながらも、心のどこかでは「もしかしたら」という期待もありました。
今回の物件は、土地値に近い価格に見えました。建物は築古でも、土地としての価値が評価されれば、積算評価として一定程度見てもらえるのではないか。そんな期待がありました。
もちろん、手元資金が乏しいことは自分でも分かっていました。不動産投資では、購入時の諸費用がかかります。購入後には空室対策の費用もかかります。築古アパートであれば、修繕費も考えなければいけません。
それなのに、現預金に大きな余裕があるわけではない。これは自分の弱点でした。
ただ、株式資産はある程度ありました。長く続けてきた高配当株投資のおかげで、金融資産としては一定の背景がありました。配当収入もあります。
現預金の弱さを、株式の資産背景で少しでもカバーできれば、可能性はゼロではないかもしれない。そんな期待もありました。
今振り返ると、少し甘い考えだったかもしれません。
でも当時の私は、「もしかしたら、自分ならいけるかもしれない」とも思っていました。
築古は厳しい。第一地銀は難しい。それは分かっている。でも、土地値、資産背景、配当収入。そのあたりを総合的に見てもらえれば、万が一の可能性はあるのではないか。
そんな気持ちで、まずは飛び込みで反応を確認しに行きました。
後輩に話していたことを、自分の案件で確認したかった
後輩からアパート購入の相談を受けた時、私は自分なりに物件や融資についてアドバイスをしていました。
その中で、築古アパートは第一地銀では難しいのではないか、という話もしていました。
ただ、それはあくまで自分の見立てです。仕事柄、不動産や金融機関の話に触れる機会はありました。物件を見る機会もありました。融資について話を聞くこともありました。
でも、自分自身の案件として金融機関に持ち込んだわけではありません。
だからこそ今回は、確認したい気持ちがありました。
自分が後輩に話していたことは、実際にはどうなのか。この物件を第一地銀はどう見るのか。自分の株式資産や配当収入を含めた資産背景があっても、築古アパートはやはり難しいのか。
本命ではないと分かっていても、確認しないまま諦めるのは違うと思いました。
窓口で物件資料を出した
第一地銀の窓口で、私は物件資料を出しました。
築古アパートの購入を検討していること。買付を入れたこと。融資の相談をしたいこと。そう伝えました。
対応してくれたのは、若い行員さんでした。その方は資料を受け取ると、奥にいる中堅の行員さんのところへ持って行き、相談してくれました。
私は窓口で待っていました。時間にすれば、ほんのわずかだったと思います。
そして、1分ほどで戻ってきました。
結果は、
「申し訳ありません」
という反応でした。
想定していたとはいえ、やはり早かったです。
細かい収支計画や資産背景を見る前に、物件の築年数や内容の時点で、第一地銀の目線には合いにくかったのだと思います。
やっぱり築古は厳しいと身をもって確認した
正直、驚きはそこまでありませんでした。むしろ、「やっぱりそうか」という感覚の方が強かったです。
自分でも、第一地銀では厳しいだろうと予想していました。後輩にも同じような話をしていました。
それでも、自分の案件として持ち込んでみると、感じ方は違います。
頭で分かっていることと、自分の物件資料を持って窓口に行き、実際に断られることは別物です。
1分ほどで難しい反応を受けた時、築古アパートに対する第一地銀の目線を、かなりリアルに感じました。
ただ、これは冷たい対応だったという話ではありません。金融機関には、それぞれ得意な案件や融資方針があります。第一地銀には第一地銀の目線がある。今回の物件は、その目線に合いにくかった。そういうことだと思います。
むしろ、早い段階で反応が分かったことは、自分にとって意味がありました。ここで長く期待を持ちすぎるより、次の金融機関へ動く判断ができます。
飛び込み相談でも、行った意味はあった
第一地銀への相談は、結果だけ見ればあっという間でした。
アポイントも取っていない飛び込み相談。若い行員さんが資料を奥に持って行き、中堅行員さんに確認。そして1分ほどで「申し訳ありません」。
文章にすると、かなり短い出来事です。
でも、私にとっては大きな経験でした。
後輩にアドバイスしていたことを、自分自身の案件で確認できた。第一地銀の目線では、築古アパートはやはり簡単ではないと体感できた。金融機関によって、見ているポイントや得意な案件が違うことを実感できた。
そして何より、買付を入れたあとに、自分が実際に動いたという事実が残りました。
400万円程度の区分マンションを買えなかった時、私はここまで進めませんでした。融資を使う発想もほとんどありませんでした。現金で買うか、買わないか。その二択で考えて、結局怖くなって見送りました。
でも今回は違いました。
満額で買付を入れた。物件資料を持って金融機関へ行った。たとえ結果が厳しくても、確認しに行った。
この行動には意味があったと思っています。
融資相談は、物件と自分の現実を見る作業だった
第一地銀での反応を受けて、改めて感じたことがあります。
融資相談は、物件だけを見る場ではありません。自分自身の現実も見える場です。
今回の物件は、自分としては魅力を感じていました。地下鉄駅から徒歩10分圏内。土地値に近い価格。築古で空室はあるものの、改善できる余地はある。
そう考えていました。
でも、それはあくまで自分の見方です。金融機関から見れば、築古アパートです。空室もあります。建物の耐用年数もあります。担保評価の問題もあります。そして、借りる人間である私の手元資金や返済力も見られます。
自分が良いと思うこと。買いたいと思うこと。買付を入れること。そして融資がつくこと。
この4つは、すべて別の段階です。
第一地銀での反応は、その現実を最初に突きつけられた出来事でした。
それでも次に向かうしかなかった
第一地銀では、想定通り厳しい反応でした。
ただ、それで終わりではありません。
この日は、朝一で第一地銀のあと、すぐに第二地銀へ相談に行く予定でした。そして午後からは、事前にアポイントを取っていた信金さんにも相談する予定でした。
第一地銀で難しい反応を受けたからといって、そこで諦めるわけにはいきません。買付を入れた以上、できることはやる。融資の可能性がある先を確認する。金融機関ごとの反応を見る。
そう決めていました。
第一地銀での相談は、短い時間で終わりました。でも、その短い時間で、築古アパート融資の現実をかなり強く感じました。
融資がつかなければ買えない。でも、1行目で難しいと言われたからといって終わりではない。
ここから、第二地銀、そして信金さんへの相談へ進んでいきます。
第15話で伝えたいこと
第15話で伝えたいことは、金融機関にはそれぞれ目線があるということです。
同じ物件でも、どの金融機関に相談するかによって反応は変わります。築古アパートをどう見るか。1棟目の投資家をどう見るか。手元資金や資産背景をどう評価するか。積算評価をどこまで見るか。保証協会を使うのか。プロパーで見られるのか。
そのあたりは、金融機関ごとに大きく違うのだと思います。
第一地銀での反応は、私にとってはある意味で想定通りでした。でも、想定していたことを実際に自分の案件で確認した意味は大きかったです。
人にアドバイスすることと、自分が当事者として経験することは違います。
後輩に「築古は第一地銀では厳しいと思う」と話していたことを、自分自身で身をもって確認しました。
買付を入れたあと、最初に受けた金融機関の反応。それは、これから始まる融資相談の現実を知る第一歩でした。
次回へ
今回は、買付を入れた2日後の休日に、第一地銀へ飛び込み相談した話を書きました。
次回は、その15分後に第二地銀へ相談した時の話を書いていきます。
第一地銀とは違い、保証協会付きであれば可能性がある一方で、保証料という大きな壁も見えてきました。
最後までお読みいただきありがとうございました。
※本記事は私個人の体験談であり、特定の不動産購入や投資判断、融資利用をすすめるものではありません。不動産投資には空室、修繕、金利上昇、価格下落、融資不承認などのリスクがあります。実際の投資判断や融資相談はご自身の状況に応じて慎重にご判断ください。


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