不動産投資の実践記録|買えなかった物件から始まった資産形成
前回は、freeeで経費登録していたものの、勘定科目の見直しやBSの確認で苦戦した話を書きました。
今回は、その先にようやく初めての青色申告を提出できた日の話です。
2月初めから始めれば余裕だと思っていました。
でも実際には、3月5日の朝までかかりました。
出勤前に提出ボタンを押した時の緊張感と、自分で申告したからこそ見えた大家業の数字について書いていきます。
※本記事は私個人の体験談であり、特定の会計ソフト、税務処理、節税方法をすすめるものではありません。
2月初めから始めれば、2月末には提出まで余裕で終わると思っていた
初めての不動産賃貸業の青色申告。
さすがにギリギリで始めるのは危ないと思っていました。
そのため、私は2月初めから確定申告の作業に取りかかりました。
自分の中では、かなり早めに動いたつもりです。
2月初めから始めれば、多少分からないことがあっても、ゆっくり進めながら2月末までには余裕をもって提出まで完了できるだろう。
3月に入ってから申告期限までの約2週間は、万が一のための完全な予備期間。
そんなイメージを持っていました。
ところが、実際には2月末になっても提出どころか、まだ確認や修正が終わっていませんでした。
これはかなり焦りました。
早めに始めているはずなのに、終わらない。
余裕を持って取りかかったつもりなのに、どんどん時間がなくなっていく。
この時点で、初めての青色申告を少し甘く見ていたことを痛感しました。
ただ、結果から見ても、2月初めに着手した判断自体は本当に正解でした。
もし2月後半や3月に入ってから本格的に始めていたら、かなり厳しかったと思います。
登録済みの経費を見直す必要が出てきたこと。
BSの左右が合わなかったこと。
固定資産や借入金、事業主借、家事按分でも悩んだこと。
ひとつ直すと、また次の疑問が出てくる。
そんな状態だったので、早めに始めていなければ、もっと追い込まれていたはずです。
2月末には提出まで終わっている予定だったのに、実際には3月5日の朝までかかりました。
それでも、早めに着手していたからこそ、何とか提出までたどり着けたのだと思います。
予備期間のつもりだった3月が、現実には本番だった
3月は予備期間。
最初はそう考えていました。
でも、実際には3月に入ってからも、まだ確定申告の作業は続いていました。
平日は本業があります。
家族との時間もあります。
まとまった時間を日中に取ることはできません。
作業できるのは、仕事が終わった後の夜か、出勤前の朝方が中心でした。
眠い目をこすりながらfreeeの画面を確認する。
分からないところをAIに相談する。
数字を直す。
また確認する。
それでも合わない。
気づけば時間だけが過ぎている。
そんな日が続きました。
休日も、かなりの時間を確定申告の事務作業に使いました。
休みの日なのに、気持ちはまったく休まりません。
頭のどこかにずっと、
青色申告、終わらせなきゃ。
という気持ちがありました。
2月初めに始めた時は、ここまで長引くとは思っていませんでした。
でも、初めての不動産賃貸業の青色申告は、想像以上に確認することが多かったです。
会社員として働きながら進めるには、思っていた以上に時間と気力が必要でした。
提出できるところまで来た時の気持ち
何度もつまずきました。
何度も同じ画面を見ました。
何度もAIに相談しました。
それでも、少しずつ前には進んでいました。
不動産用の科目を修正する。
固定資産を登録する。
借入金を整理する。
事業主借を確認する。
家事按分を見直す。
BSの数字を確認する。
ひとつずつ潰していくうちに、少しずつ申告書類の形が見えてきました。
最初は何が原因なのか分からなかったものが、
「ここを直せば、こう反映される」
「この登録がBSに影響している」
「この支出はこう整理する」
というように、少しずつ見えるようになっていきました。
もちろん、完璧に理解できたわけではありません。
それでも、最初に比べれば明らかに見える景色は変わっていました。
提出できるところまで来た時には、達成感より先に、
やっとここまで来た。
という気持ちが強かったです。
3月5日の朝、出勤前に提出した
そして、3月5日の朝。
私は出勤前に、初めての青色申告を提出しました。
提出ボタンを押す時は、正直かなり緊張しました。
本当にこれで大丈夫なのか。
どこか見落としていないか。
登録方法は間違っていないか。
家事按分の考え方は、自分の実態に合っているか。
固定資産や借入金の登録は、大きくズレていないか。
不安を挙げればきりがありません。
初めての不動産賃貸業の青色申告。
しかも物件を購入した初年度です。
家賃収入だけではなく、購入時の諸費用、固定資産、借入金、減価償却、事業主借など、初年度ならではの項目も多くありました。
「これで絶対に完璧です」
とは、とても言えません。
それでも、ある程度のところで決断しなければ前に進めません。
何度も確認しました。
AIにも相談しました。
自分なりに調べました。
そして最後は、
大枠はできている。
やれることはやった。
そう思って、提出することにしました。
提出した瞬間、本当にほっとしました。
大げさではなく、肩の力が抜けるような感覚がありました。
2月からずっと頭の中にあった確定申告。
夜も朝方も、休日も、何かしら気になっていた青色申告。
それがようやく一段落しました。
もちろん、不安が完全に消えたわけではありません。
「本当にこれで大丈夫かな」
という気持ちは残っていました。
でも、それ以上に、
自分でここまでやり切った。
という感覚がありました。
提出した後は、本当に清々しい気持ちでした。
この朝のことは、今でもよく覚えています。
自分でやったから、数字の意味が見えてきた
今回、自分で青色申告をやってみて、一番大きかったのは、不動産賃貸業の数字の意味が少しずつ見えてきたことです。
家賃収入がある。
経費がある。
借入返済がある。
固定資産がある。
減価償却がある。
税金がある。
言葉としては、購入前から知っていました。
でも、自分の物件で、自分の帳簿として入力してみると、見え方がまったく違いました。
たとえば、家賃収入が入っても、それがそのまま手元に残るわけではありません。
借入金の返済があります。
管理費があります。
修繕費があります。
固定資産税や保険料もあります。
空室対策にかかる費用もあります。
一方で、減価償却のように、実際にその年に現金が出ていくわけではないけれど、経費として計上されるものもあります。
このあたりの感覚は、実際に自分で帳簿を作ってみて、かなり理解が深まりました。
不動産投資は、表面利回りだけを見ても分かりません。
家賃収入だけを見ても分かりません。
手元に残るお金。
税金。
借入返済。
減価償却。
将来の修繕。
それらを合わせて見ていく必要があります。
初めての青色申告を通じて、そのことを強く感じました。
建物価格のウエイトを上げてもらった理由
1棟目アパートの購入時、私は売主さんとの交渉の中で、建物価格のウエイトをできるだけ上げてもらうよう相談しました。
もちろん、土地と建物の価格按分は何でも自由に決めてよいものではないと思っています。
実態や合理性が大切です。
ただ、私の場合は築古物件であり、建物部分を短い期間で減価償却できる可能性がありました。
そのため、建物価格のウエイトを高めに設定できれば、数年間の減価償却費を大きく取ることができます。
私が考えていたのは、単に税金を減らしたいということだけではありません。
購入直後は、手元資金に余裕がありませんでした。
空室対策にもお金がかかります。
修繕や設備の交換も必要になる可能性があります。
そして将来的には、2棟目にも進みたいという気持ちがありました。
そのため、初期の数年間で減価償却をしっかり取り、税引き後のキャッシュを少しでも残す。
残したキャッシュを、空室対策や次の物件取得に向けた資金に回していく。
そういう戦略を考えていました。
ここは、不動産投資を始める前から自分なりに意識していた部分です。
株式投資では、配当を再投資して資産を増やしてきました。
不動産でも同じように、手元に残るキャッシュを次の投資につなげたい。
そのためには、購入時の価格按分や減価償却の考え方も重要になる。
そう考えていました。
減価償却は、数字で見て初めて実感した
減価償却という言葉自体は、以前から知っていました。
前職で経営に関わる仕事をしていたこともあり、減価償却の大枠の仕組みも理解しているつもりでした。
でも、自分の不動産賃貸業の決算書で減価償却費が反映されるのを見ると、やはり実感が違いました。
実際に現金が出ていくわけではない。
でも、経費として計上される。
その結果、会計上の利益や税金に影響する。
一方で、借入金の元金返済は経費ではありません。
現金は出ていくのに、経費にはならない部分があります。
このあたりは、頭では分かっていたつもりでも、自分の数字として見ると重みが違いました。
不動産賃貸業では、会計上の利益と実際のキャッシュフローが必ずしも一致しません。
減価償却が大きければ、会計上は赤字になりやすい場合もあります。
しかし、実際の資金繰りを見る時には、家賃入金、借入返済、修繕費、税金、手元資金を合わせて考える必要があります。
ここを自分で確認できたことは、かなり大きかったです。
初年度の青色申告は大変でしたが、この感覚を得られたことは、今後の大家業にとって大きな意味があったと思います。
会社員としての控除も、自分で入力して実感が湧いた
今回の確定申告では、不動産賃貸業の青色申告だけでなく、医療費控除やふるさと納税の寄付金控除の入力もありました。
これまでも、ふるさと納税や医療費控除で確定申告をしたことはありました。
ただ、今回のように不動産賃貸業の決算書を作りながら、所得や控除を一つひとつ確認していく感覚は、これまでとは少し違いました。
さらに、会社員としてこれまで当たり前のように年末調整で処理してきた生命保険料控除や地震保険料控除なども、自分で確認しながら申告することになりました。
正直、会社員として働いていると、年末調整は毎年の恒例作業のような感覚になりがちです。
必要な書類を出して、入力して、あとは会社側で処理してもらう。
それが当たり前になっていました。
でも、自分で確定申告書を作ると、同じ控除でも見え方が変わります。
医療費控除。
寄付金控除。
生命保険料控除。
地震保険料控除。
それぞれが、自分の所得や税額にどう関係しているのか。
これまで何となく入力していたものが、申告書の中でどう反映されているのか。
自分で確認することで、税金の仕組みを少しずつ実感できました。
不動産賃貸業の数字だけでなく、会社員としての収入や各種控除も含めて、自分の一年間のお金の流れを見直す。
初めての青色申告は、単なる不動産の申告作業ではなく、自分の家計や働き方、資産形成全体を見直す機会にもなりました。
2棟目に向けた準備でもあった
私にとって、初めての青色申告は、単なる税務作業ではありませんでした。
2棟目に向けた準備でもありました。
1棟目の数字を自分で理解する。
家賃収入と経費を把握する。
借入返済後にどのくらい手元に残るのかを見る。
減価償却がどのように効いているのかを確認する。
初年度が赤字になったとしても、その中身を説明できるようにする。
これらは、次の物件を買う時にも必要になると思っています。
金融機関に相談する時にも、ただ「次も買いたいです」と言うだけでは弱いです。
1棟目をどう運営しているのか。
購入後にどう改善したのか。
数字はどうなっているのか。
なぜ赤字なのか。
満室後の収入はどうなっているのか。
今後の返済に問題はないのか。
こうしたことを、自分の言葉で説明できる必要があります。
初めての青色申告は、そのための土台作りでもありました。
苦戦しながらも自分でやったことで、銀行さんへの報告にもつながっていきます。
ただ申告書類を作っただけではありません。
自分の事業を説明するための材料を、自分で確認する作業でもありました。
税理士さんに頼る選択肢もある
ここまで書くと、「自分で全部やるべき」という話に見えるかもしれません。
でも、そういうつもりではありません。
むしろ、税理士さんにお願いする選択肢は十分にあると思います。
特に、不動産の購入初年度は処理が複雑です。
固定資産の登録。
減価償却。
借入金。
購入時の諸費用。
家事按分。
不動産所得の決算書。
分からないことが本当に多いです。
規模が大きくなったり、物件数が増えたり、取引が複雑になったりすれば、専門家に相談する重要性はさらに高くなると思います。
私も今後、状況によっては税理士さんに相談することも考えています。
ただ、最初の一回を自分で経験できたことには意味がありました。
大変でした。
時間もかかりました。
睡眠時間も削りました。
それでも、自分の不動産賃貸業のお金の流れを理解するきっかけになりました。
この経験は、今後も必ず活きると思っています。
第9話で伝えたいこと
第9話で伝えたいことは、初めての青色申告は想像以上に大変だったけれど、自分でやったからこそ見えたものがあったということです。
2月初めから始めれば、2月末には提出まで余裕で終わると思っていました。
3月に入ってからの約2週間は、完全に予備期間のつもりでした。
でも実際には、提出できたのは3月5日の朝でした。
結果的に、早めに着手して本当に良かったです。
もし遅れて始めていたら、もっと焦っていたと思います。
3月5日の朝、出勤前に提出した時、本当にほっとしました。
本当にこれで大丈夫かという不安もありました。
でも、大枠はできている。
やれることはやった。
そう思えたことで、最後はとても清々しい気持ちでした。
そして、青色申告を通じて、不動産賃貸業はやはり事業なのだと改めて感じました。
物件を買うだけでは終わりません。
家賃収入を管理する。
経費を整理する。
借入金を把握する。
減価償却を理解する。
キャッシュフローを見る。
金融機関に説明できるようにする。
ここまで含めて、大家業なのだと思います。
1棟目を買えたことは大きな一歩でした。
でも、買ってから数字と向き合うことで、ようやく少しだけ大家としての実感が出てきました。
次回へ
今回は、3月5日の朝、出勤前に初めての青色申告を提出した話を書きました。
第8話で書いたように、そこまでの道のりはかなり大変でした。
でも、提出した瞬間は本当にほっとしました。
そして、自分でやったことで、不動産賃貸業の数字の流れが少しずつ見えてきました。
次回は、初年度の決算を終えた後、銀行さんへ報告に行った話につなげていきたいと思います。
初年度は赤字。
でも、その赤字には理由がありました。
購入直後の空室対策費用。
築古物件ならではの減価償却。
そして、4月には満室になっていたこと。
数字だけを見ると赤字でも、その中身をどう説明するかで、金融機関の受け止め方は変わるのだと感じました。
1棟目の運営と、2棟目に向けた準備。
その間にある「銀行報告」の大切さについて、次回は書いていきます。
最後までお読みいただきありがとうございました。
※本記事は私個人の体験談であり、特定の会計ソフト、税務処理、節税方法をすすめるものではありません。税務処理や不動産の価格按分については個別の状況により異なる場合がありますので、必要に応じて税理士や税務署等へご確認ください。



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