【第10話】初年度赤字の決算を銀行へ報告した話|株を崩さず、不動産単体で強くしたい理由

不動産投資シリーズ第10話 赤字の決済を銀行に報告した話 不動産投資

不動産投資の実践記録|買えなかった物件から始まった資産形成

こんにちは、会社員大家のリョータです。

前回は、3月5日の朝に初めての青色申告を提出し、自分で帳簿を作成したことで見えてきた大家業の数字について書きました。

今回は、その決算書を持って、融資を受けた信用金庫へ報告に行ったときの話です。

初年度の不動産所得は赤字でしたが、これは融資を受ける前から想定していたことでした。ただ、実際に赤字の決算書を持って金融機関へ行くとなると、やはり多少の緊張はあります。

そこで私は、決算書だけでなく、満室後の送金明細も持参することにしました。

また、今回の報告では、2棟目の購入資金を早く作りたいという思いが強すぎて、私個人のプライベート資金が苦しくなっていることも正直に伝えました。

今回は、初めての決算報告で準備した資料や信用金庫の担当者さんとのやり取り、そして今後の資金計画について書いていきます。

決算書だけでなく、満室後の送金明細も持参した

2026年5月、私は初年度の決算書を持って、融資を受けた信用金庫へ報告に伺いました。

1棟目のアパートを購入したのは、2025年11月27日です。

そのため、初年度に計上できる家賃収入は実質的に約1か月分しかありません。一方で、購入時にはさまざまな諸経費が発生し、建物の減価償却費も計上されています。

結果として、初年度の不動産所得は赤字となりました。

ただし、決算書に表れているのは2025年末までの数字です。

その後、管理会社さんと協力して空室対策を進めた結果、2026年4月には10室すべてが埋まり、満室となりました。

満室時の家賃収入は月約30万円です。

そこで今回の決算報告では、赤字の決算書に加え、満室後の送金明細も持参しました。

決算書だけでは、購入後の空室対策によって家賃収入がどの程度改善したのかを十分に伝えられません。一方、送金明細があれば、現在の稼働状況や実際の家賃入金について、具体的な数字を示すことができます。

もちろん、送金明細に記載された金額がそのまま手元に残る利益ではありません。借入金の返済や税金、保険料、今後の修繕費なども考慮する必要があります。

それでも、決算書に表れた過去の数字と、現在の運営状況を合わせて見てもらうことには意味があると考えました。

「初年度は赤字ですが、現在は満室となり、家賃収入も改善しています」

そのことを、口頭だけでなく資料を使って説明したかったのです。

融資を受ける前から、4年間の赤字を見込んでいた

今回の決算報告では、赤字になった理由についても改めて説明しました。

私が購入したのは、築古の木造アパートです。

建物部分については4年間で減価償却する計画であり、購入初年度だけでなく、その後も減価償却費が大きくなることを見込んでいました。

そのため、融資を受ける前から信用金庫の担当者さんには、減価償却などの影響によって、最初の4年間程度は決算上の赤字を見込んでいることを説明していました。

ただし、私が目指しているのは、単に赤字を出して税金を減らすことではありません。

家賃収入から借入金の返済や運営経費を支払い、必要な修繕にも対応しながら、不動産賃貸業の中に現預金を積み上げていくことです。

減価償却費は会計上の経費ですが、その年に新たな現金の支出が発生するわけではありません。そのため、決算上の不動産所得が赤字であっても、実際の現金収支まで同じように赤字になるとは限りません。

一方で、借入金の元金返済は経費にならなくても、実際には現金が出ていきます。

今回の決算報告でも、こうした会計上の損益と実際の現金収支の違いを踏まえながら、今後どのように賃貸経営を進めていきたいのかを説明しました。

株式資産を取り崩さず、不動産単体で現預金を積み上げたい

私はこれまで、高配当株を中心に長期投資を続け、受け取った配当金を再投資することで株式資産を積み上げてきました。

その資産をできるだけ維持したまま、不動産からも家賃収入を得たい。

そんな考えから、1棟目のアパートは株式を売却せず、信用金庫からのフルローンで購入しました。

今後も、株式資産は株式資産として維持し、配当収入を積み上げていきたいと考えています。一方、不動産賃貸業についても、家賃収入から必要な費用を支払い、事業単体で現預金を増やしていきたいのです。

この方針は、1棟目の融資を受ける前から担当者さんにも伝えていました。

しかし、実際に賃貸経営を始めてみると、不動産口座に現金を積み上げることばかり意識するあまり、私自身の資金繰りに無理が生じていました。

2棟目への思いが強すぎて、プライベート資金が苦しくなっていた

今回の決算報告では、信用金庫の担当者さんに、私個人のプライベート資金が厳しくなっていることも正直に伝えました。

というのも、私は1棟目のアパートを購入してから、できるだけ早く不動産口座に現金を積み上げたいと考えていたからです。

その理由は、もちろん2棟目の購入資金を作るためです。

1棟目が満室となり、毎月の家賃収入が安定して入ってくるようになりました。せっかく増えてきた不動産口座の残高を、できるだけ減らしたくないという気持ちがありました。

その思いが強すぎて、本来は不動産口座から支払ってもよい経費まで、プライベート資金から捻出していたのです。

例えば、固定資産税や入居者向けのインターネット無料サービスの費用、その他の不動産経費などです。

こうした支払いを個人の財布から負担していたため、不動産口座には現金が残る一方で、私自身のプライベート資金は次第に厳しくなっていました。

もともと金融資産の多くを株式で保有しており、手元の現金に余裕があったわけではありません。

それでも、できるだけ株式は売却せず、不動産口座の現金も減らしたくない。

今振り返ると、2棟目を購入したいという気持ちが少し先走っていたのかもしれません。

担当者さんからの「それぐらいは不動産口座から使ってください」

決算報告の際、こうした資金繰りの状況について担当者さんにお話ししました。

不動産賃貸業単体で現預金を積み上げたいという考えは、以前からお伝えしていましたが、そのために私個人の生活資金が厳しくなっていることも、今回は正直に説明しました。

すると、担当者さんから、「それぐらいは不動産口座から使ってください」

と声をかけていただきました。

確かに、固定資産税やインターネット無料サービスの費用などは、アパートを運営していくうえで必要な支出です。

不動産口座に現金を残すことばかり意識していましたが、本来は家賃収入から必要な経費を支払い、そのうえで残った現金を積み上げていくことが大切なのだと思います。

私が目指しているのは、不動産口座の残高を一時的に大きく見せることではありません。

家賃収入から借入金の返済や運営経費を支払い、必要な修繕にも対応しながら、賃貸経営を続けられる状態を作ることです。

今回の担当者さんとのやり取りを通じて、2棟目の購入を急ぐあまり、プライベート資金に無理をかけすぎないことも大切だと感じました。

不動産賃貸業を強くするために、まずは1棟目の収益で必要な経費を賄い、そのうえで現金を積み上げていく。

これからは、そのバランスも意識しながら、2棟目の購入に向けた準備を進めていきたいと思っています。

減価償却を活用できる最初の4年間が大切

私が不動産賃貸業の現預金を積み上げるうえで、特に重要だと考えているのが、建物の減価償却を活用できる最初の4年間です。

今回購入した築古木造アパートは、建物部分を4年間で減価償却する計画です。

減価償却費を計上することで、会計上の所得を抑えられる可能性がありますが、償却費を計上する年に新たな現金の支出が発生するわけではありません。

そのため、家賃収入が安定していれば、減価償却によって税負担を抑えられる期間に、税引後の現金を積み上げられる可能性があります。

私が考えているのは、この期間を活用して不動産賃貸業の資金的な体力をつけることです。

満室を維持しながら、借入金の返済や運営経費を支払い、必要な修繕にはきちんと対応する。そのうえで残った現金を、将来の空室対策や設備交換、2棟目の購入に向けた準備資金として蓄えていきたいと考えています。

もちろん、減価償却費が大きいからといって、必ず現金が増えるわけではありません。

空室が増えたり、大規模修繕が発生したりすれば、資金繰りは厳しくなります。また、減価償却が終了すれば、その後の課税所得や税負担が増える可能性もあります。

だからこそ、減価償却を活用できる期間に、税金だけでなく実際の現金収支を確認しながら、今後の経営に備えていきたいと思っています。

赤字決算の説明から、今後の事業計画へ

今回の決算報告では、初年度の赤字が購入時の費用や減価償却などによるものであることを説明し、満室後の送金明細も見ていただきました。

そして、今後は株式資産をできるだけ取り崩さず、不動産賃貸業単体で現預金を積み上げ、2棟目の購入につなげていきたいという考えも伝えました。

私は以前、仕事で財務分析に携わっていた経験があります。

その頃は企業の決算書を読み、収益性や財務状況を分析する立場でしたが、今回は自分で作成した決算書について、自分自身が金融機関に説明する立場です。

数字だけを見てもらうのではなく、現在の経営状況と今後の方針を、自分の言葉で伝えることの大切さを感じました。

今回の報告では、担当者さんだけでなく支店長さんからも、2棟目について積極的に支援したいという趣旨のお話をいただきました。

もちろん、次の融資が約束されたわけではありませんが、初年度の決算報告を終え、次の物件購入について具体的に相談できるところまで来たことは、私にとって大きな前進でした。

2棟目に向けて、不動産賃貸業の体力をつけていく

今回の決算報告を終え、2棟目の購入に向けた気持ちはさらに強くなりました。

ただ、信用金庫から前向きな言葉をいただいたからといって、すぐに次の物件を購入するつもりはありません。

まずは1棟目の満室経営を維持し、借入金の返済や必要な経費、修繕費などに対応しながら、不動産賃貸業単体で現預金を積み上げていきたいと考えています。

そして、今後は不動産口座の残高を増やすことだけにこだわらず、プライベート資金とのバランスも大切にしていきたいと思っています。

株式資産はできるだけ維持し、不動産から生まれる家賃収入を次の物件購入につなげていく。

その方針を大切にしながら、2棟目の購入に向けた準備を進めていきたいと思っています。

次回へ

今回は、初年度の赤字決算と満室後の送金明細を信用金庫へ持参し、今後の資金計画について説明したときの話を書きました。

次回は、2棟目のアパートを探すうえで重視している購入条件について書いていきます。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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