【第3話】株を売れば買えた。でも、そのタイミングでは売れなかった|不動産投資と株式投資の迷い

不動産投資

本記事は、
「不動産投資の実践記録|買えなかった物件から始まった資産形成」
シリーズの第3話です。

前回の記事では、私が400万円程度の区分マンションを買えなかった理由について書きました。

補修費用が読めなかったこと。
入居者が決まらなかった場合の空室リスクが怖かったこと。
売却できるかどうか分からなかったこと。
貯金を減らしたくなかったこと。
融資を使うという発想がなかったこと。

そしてもう一つ、大きな理由がありました。

それは、株を売ってまで不動産を買う覚悟がなかったことです。

当時の私は、貯金がほとんどありませんでした。

資産の多くは高配当株に振り向けていました。

つまり、400万円の区分マンションを買おうと思えば、持っていた株式の一部を売却する必要がありました。

株を売れば、買えたかもしれない。

でも、私はそのタイミングでは売ることができませんでした。

今回は、不動産投資のチャンスを目の前にしながら、なぜ株を売れなかったのかを振り返ります。

当時の資産状況は、株式に大きく偏っていた

当時の私の資産状況は、かなり偏っていました。

現金はあまり持っていない。
一方で、株式はそれなりに保有している。

そんな状態でした。

今でこそ、株式投資と不動産投資の両方を見ながら、資産全体のバランスを考えるようになりました。

しかし当時の私は、かなり株式投資に寄った資産形成をしていました。

特に高配当株を中心に、少しずつ保有株を増やしていました。

配当をもらいながら、長く持ち続ける。
そして、時間をかけて資産を大きくしていく。

そういう考え方で投資をしていました。

そのため、不動産を買うために株を売るという発想には、強い抵抗がありました。

2011年ごろから買い続けていた主力の小型不動産株

その中でも、特に大きかったのが、主力として保有していた小型不動産株の存在でした。

銘柄名は出しませんが、私にとってはかなり思い入れのある銘柄でした。

その銘柄を買い始めたのは、2011年ごろだったと思います。

当時の私は、2020年の東京オリンピックを見据えていました。

不動産関連の小型株でありながら、まだ大口の資金が本格的に入っていないように見えた銘柄でした。

「いずれ注目されるタイミングが来るのではないか」
「東京オリンピックに向けて、不動産関連株として評価される可能性があるのではないか」

当時の私は、そう考えていました。

もちろん、今振り返れば自分の思い込みもあったと思います。

それでも当時は、勝てる可能性の方が高いと考えていました。

だからこそ、簡単には売れませんでした。

旧NISAでも、いつか大きく評価される日が来ると信じて買い続けました。

株価が思うように動かない時期もありましたが、それでも保有を続け、少しずつ持ち株を増やしていきました。

私にとっては、単なる保有株の一つではありませんでした。

長い時間をかけて積み上げてきた、自分の資産形成の中心のような銘柄でした。

正直に言えば、意地もありました。

ここまで買い続けてきたのだから、途中で簡単には降りたくない。

そういう気持ちもあったと思います。

2019年の増資発表で、含み益が大きく減少

ところが、2019年に増資が発表されました。

その発表をきっかけに株価は大きく下落しました。

それまで積み上がっていた含み益も、大幅に減少しました。

ここは正確に書いておきたいのですが、損をしていたわけではありません。

含み損になっていたわけではありません。

それでも、評価額が大きく下がったことは事実です。

自分が長い時間をかけて積み上げてきた株式資産が、一気に目減りしたような感覚がありました。

もちろん、株式投資をしていれば、株価が下がることはあります。

増資が短期的に株価へマイナスに働くこともあります。

頭では分かっていました。

しかし、実際に自分の主力株でそれが起きると、簡単には割り切れませんでした。

増資資金で成長すると信じていた

増資は、既存株主にとって短期的には厳しい材料です。

株式数が増えれば、1株あたりの価値が薄まる可能性があります。

実際に株価も大きく下がりました。

それでも当時の私は、その増資を完全に悪いものだとは考えていませんでした。

むしろ、その資金を使って会社がさらに成長していくことを信じていました。

事業を広げるための資金。
成長するための資金。
将来の利益につながるかもしれない資金。

そう考えていました。

だからこそ、株価が下がったからといって、すぐに売るという選択ができませんでした。

「ここで売るのは違う」

当時の私は、そう感じていました。

暴落後も追加でまとまった金額を投じていた

さらに、増資発表によって株価が大きく下がったあとも、私は追加でまとまった金額を投じていました。

今なら、冷静に距離を置いて考えるべきだったのかもしれません。

しかし当時の私は、増資資金を使って会社が成長していくことを信じていました。

株価が下がったから終わりではない。
むしろ、ここから成長していく可能性がある。

そう考えていました。

だからこそ、その直後に株を売って不動産購入の資金にするという選択は、どうしてもできませんでした。

自分が信じて買い増したばかりの株を、評価額が下がったタイミングで手放す。

当時の私にとって、それはかなり難しい判断でした。

不動産を買うには、株を売る必要があった

一方で、目の前には400万円程度の区分マンションがありました。

相場よりかなり安いと思える物件です。

親しくしていた不動産売買の業者さんから、公開前に情報をいただいた物件でもありました。

今振り返れば、チャンスだったと思います。

しかし、その物件を買うには現金が必要でした。

当時の私は融資の知識もなく、金融機関に相談するという発想もほとんどありませんでした。

つまり、自分の中では、

「現金で買うか」
「買わないか」

の二択になっていました。

そして現金を作るには、株を売るしかありませんでした。

特に主力として保有していた小型不動産株を売れば、購入資金を用意できたかもしれません。

株を売れば買えた。

でも、そのタイミングでは売れなかった。

これが当時の私の本音です。

評価額が下がったタイミングで売りたくなかった

不動産を買うために株を売る。

言葉にすれば簡単です。

資産を組み替えるだけ。
株式から不動産へ一部資金を移すだけ。

そう考えることもできます。

しかし当時の私には、それができませんでした。

なぜなら、売ろうとしている株は、長年信じて買い続けてきた主力株だったからです。

しかも、2019年の増資発表で評価額が大きく下がったタイミングでした。

損はしていない。
でも、含み益は大きく減っている。

その状態で売ることに、強い抵抗がありました。

「ここで売るのはもったいない」
「配当をもらいながら回復を待ちたい」
「増資資金で成長するなら、ここで手放すべきではないのではないか」
「長く持ち続けてきた意味がなくなるのではないか」

そんな気持ちがありました。

不動産を買えば、利益が出るかもしれない。

でも、株を売れば、長年積み上げてきた主力株を手放すことになる。

その二つを比べたとき、当時の私は株を売る決断ができませんでした。

物件が怖かっただけではなく、資産を動かすのが怖かった

第1話では、400万円のマンションを買えなかった話を書きました。

第2話では、補修費や空室リスク、融資知識の不足について書きました。

しかし、第3話まで振り返って改めて思うのは、私が怖かったのは物件だけではなかったということです。

怖かったのは、自分の資産を大きく動かすことでした。

株式に大きく偏っていた資産を、一部不動産に移すこと。
長年信じて持ち続けてきた株を売ること。
評価額が下がったタイミングで手放すこと。
そして、自分の判断に責任を持つこと。

それが怖かったのだと思います。

不動産投資のチャンスは目の前にありました。

しかし、私はそのチャンスをつかむための準備ができていませんでした。

知識も足りなかった。
現金も足りなかった。
融資への理解も足りなかった。
そして、株を売って資産を組み替える覚悟もありませんでした。

結果だけ見れば、買えなかったことは悔しい

その区分マンションは、私が迷っているうちに別の業者さんが購入しました。

その後、100万円程度のリフォームをして、600万円以上で売却したと聞きました。

結果だけを見れば、利益が出た可能性のある案件だったと思います。

正直、悔しさはあります。

「あの時、株を売ってでも買っていれば」

そう思ったこともあります。

しかし一方で、今振り返ると、株を売らなかった判断まで完全に間違いだったとは思っていません。

当時の私は、その主力株を信じていました。

増資資金を使って会社が成長していくことを期待していました。

配当をもらいながら、長く持ち続けるつもりでした。

その考え方そのものが、すべて間違っていたとは思っていません。

投資では、正解があとからしか分からないこともある

投資をしていると、あとから振り返って「あの時こうしていれば」と思うことがあります。

あの時買っていれば。
あの時売っていれば。
あの時もっと動いていれば。

しかし、その時点では未来は分かりません。

不動産を買っていれば利益が出たかもしれない。

でも、株を売らずに持ち続けたことで、その後の資産形成につながる可能性もある。

どちらが正解だったのかは、その時点では分かりません。

私の場合、400万円の区分マンションを買えなかったことは、確かに悔しい経験でした。

でも、株を売らずに持ち続けたことにも意味がありました。

少なくとも、当時の自分なりに考えて出した答えではありました。

買えなかった経験も、次につながっていく

今回の経験から学んだことがあります。

不動産投資のチャンスが来たとき、物件だけを見ていても足りません。

自分の現金。
保有株式。
融資の可能性。
資産全体のバランス。
そして、どの資産をどこまで動かせるのか。

そこまで考えておかなければ、いざチャンスが来ても動けません。

当時の私は、物件情報をもらうことはできました。

しかし、その物件を買うために、資産全体をどう動かすかまでは考えられていませんでした。

だから、買えなかったのだと思います。

安い物件を見つけることも大切です。

でも、それ以上に大切なのは、チャンスが来たときに動ける準備をしておくこと。

この経験は、後の自分にとって大きな学びになりました。

まとめ

今回は、400万円程度の区分マンションを買えなかった理由の中でも、特に「株を売れなかった理由」について書きました。

当時の私は、貯金がほとんどなく、資産の多くを高配当株に振り向けていました。

不動産を買うには、株式を売却して現金を作る必要があると思い込んでいました。

しかし、主力として保有していた小型不動産株は、2011年ごろから買い続けてきた思い入れの強い銘柄でした。

2019年の増資発表で株価は大きく下落し、含み益は大幅に減少しました。

それでも私は、その増資資金で会社が成長していくことを信じていました。

そのため、評価額が大きく下がったタイミングで株を売り、不動産購入の資金にすることができませんでした。

株を売れば買えた。

でも、そのタイミングでは売れなかった。

これが、当時の私の正直な気持ちです。

次回【第4話】では、あの時に売らずに持ち続けた株式たちが、その後どのように自分の資産形成につながっていったのかを書いていきたいと思います。

なお、noteではこの話を、もう少し感情面・体験談寄りに書いています

よろしければ、あわせて読んでいただけると嬉しいです。

【note版はこちら】https://note.com/next_innovation1/n/n8dcfad111f10

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

※本記事は私個人の体験談であり、特定の投資判断をすすめるものではありません。

コメント

タイトルとURLをコピーしました