『まずはアパート一棟、買いなさい!』を40代会社員がガチで実践して大家になったリアルな話

書籍『まずはアパート一棟、買いなさい!』の表紙画像 豊かに生きるヒント
不動産投資のバイブルとして知られる石原博光氏の著書。ここから一歩を踏み出しました。

「会社の給料だけに依存する生活から抜け出したい」 「将来のために資産運用を始めたいけれど、何から手をつければいいか分からない」

そんな悩みを抱えているビジネスパーソンは多いのではないでしょうか。

世の中には数多くの投資手法やビジネス書が溢れていますが、私の人生を文字通りガラリと変え、「一棟アパートのオーナー」という現実的な切符を掴むきっかけをくれた運命の一冊があります。

それが、石原博光氏の著書 『まずはアパート一棟、買いなさい!』 です。

不動産投資のバイブルとして長年読み継がれている本書ですが、単なる「ノウハウ本」ではありません。会社員という属性を最大限に活かし、泥臭く、しかし確実に資産を築くための「行動の教科書」です。

今回は、実際にこの本と出会い、実践し、仙台で10室のアパートオーナーになった私自身のリアルな体験談を交えながら、本書の核心と会社員が今すぐ学ぶべきマインドセットについて深掘りします。

なぜ数ある不動産投資本の中で『まずはアパート一棟、買いなさい!』なのか

メガ大家ではなく「等身大の会社員」に向けた再現性の高さ

すでにアパートを複数所有して多くの資産を持つメガ大家のノウハウは別世界の話に見えるが、本書は「普通の会社員」の属性や融資の引き方をベースにしている。自分が当時この本を読んで、「この通りにはいかないかもしれないが、可能性はあるのではないか?」となんとなく感じることができた。

実際に、世の中の不動産投資本の多くは「自己資金数千万円」とか「融資を数億円引いて一気に規模拡大!」といった、一般の会社員にはおよそ現実味のないエピソードで溢れています。読んでいてワクワクはするものの、本を閉じた後に残るのは「自分には無理だな」という冷めた現実だけでした。

しかし、本書が説くステップは違いました。 会社員という「毎月安定した給与収入がある」という最大の武器(属性)をどう活かすか、そして予算を抑えながら最初の一棟をどう手に入れるかという、極めて地道で等身大な戦略だったのです。

もちろん、本に書かれている手法がそのまま100%自分の地域や時代に当てはまるわけではありません。私自身、仙台というローカルエリアで物件を探す中で、本に書かれていない数々の壁(地場の不動産会社との関係構築や、雪国特有の維持管理の課題など)に直面しました。

それでも、あの時「なんとなく感じた可能性」を信じて一歩を踏み出したからこそ、私はなんとか1棟目を所有することができ、会社の給料以外にもう一つの収入の柱を築くことができたのです。

マインドセットと泥臭い実践ステップの絶妙なバランス

もう一つ、私の中にあった大きな壁は「借金を背負うのが怖い」という返済リスクへの恐怖でした。

なまじ普段から不動産に関わる仕事をしていることもあり、感覚的に「アパート経営は劇的に儲かるわけではない」という現実的な認識が痛いほどありました。空室リスク、修繕リスク、金利上昇リスク……。リアルな裏側を知っているからこそ、数千万円もの融資を引くことへのプレッシャーは人一倍大きかったのです。

それでも、40代後半に差し掛かり、人生の折り返し地点を迎えた自分にとって、一つの決意が芽生えました。

「人生は一度きり。リスクをとった者にしか、リターンはない」

会社の給料に甘んじて、このまま何も挑戦せずに人生を終えていいのだろうか。いや、それだけは絶対に嫌だ。仮に思い通りにいかなくても、すべては「自分の人生を切り開くための勉強」だ。そう割り切って挑戦したいという気持ちが、リスクへの恐怖を完全に上回った瞬間でした。

本書が教えてくれたのは、単なる物件の買い方ではありません。こうした「現状維持という最大のリスク」から抜け出し、泥臭く一歩を踏み出すためのマインドセット(心の軸)だったのです。

地場の不動産会社との関係構築と物件との出会い

私の場合、幸運なことに地場の不動産会社の売買担当者とつながりがあり、普段から良い関係を構築していました。本書でも「業者との関係づくり」の重要性が説かれていますが、日頃のコミュニケーションの積み重ねがあったからこそ、一般のネット市場には出回らないような絶妙な物件情報を優先して回してもらうことができたのです。

提案されたのは、仙台市内の地下鉄駅から徒歩5分圏内という、立地としては申し分のない場所にある物件でした。

しかし、中身はなかなかのじゃじゃ馬です。 木造築35年の築古、単身向けアパート。おまけに10部屋中4部屋が空室という、お世辞にも「すぐにお金を生んでくれる優良物件」には見えない状態でした。普通の会社員なら「リスクが高すぎる」と一歩引いてしまうかもしれません。

ですが、本書で学んだ目線でこの物件を解剖したとき、私の中に衝撃が走りました。

駅チカという抜群の立地でありながら、築古で空室が多いというマイナス要素があるおかげで、価格が「ほぼ土地値(積算価値と同等)」まで下がっていたのです。つまり、建物としての価値はほぼゼロと評価されているため、購入した瞬間に「土地という手堅い資産」を丸ごと手に入れるのと同じ意味を持ちます。

「これなら、最悪の事態になっても大火傷はしない。そして、空室の4部屋は自分の努力(リフォームや客付け営業)次第で埋められるはずだ」

本書が教えてくれた「会社員が狙うべき等身大の物件」の定義に、これ以上ないほどピタリと合致した瞬間でした。

4部屋の空室を埋め、満室へ導くまでの泥臭い再生劇

物件を手に入れた歓喜も束の間、私の前には「4部屋の空室」という現実が横たわっていました。稼働率60%の状態からどうやって満室へ導くか。ここからが本当の泥臭い再生劇の始まりでした。

私が徹底したのは、徹底的な**「入居者目線」でのリフォーム**です。 築35年という古さを補って余りあるほど、内装のデザインや生活に直結する設備(水回りなど)を徹底的にブラッシュアップしました。ただし、ここで自己満足に陥って予算をかけすぎては投資としてのバランスが崩れてしまいます。いかに「コストを抑えながら、入居者が『ここに住みたい!』と思える付加価値を生み出すか」という、投資家としてのシビアな計算と工夫を積み重ねました。

そして、リフォーム以上に力を注いだのが、管理会社や客付け会社との関係構築です。

多くの大家さんは、管理会社に「お任せ」して連絡を待つだけになりがちです。しかし私は、地場のどのオーナーよりも密にコミュニケーションをとることを意識しました。 定期的に店舗へ足を運んで差し入れを手渡したり、時には懇親会を開催して本音で語り合える場を作ったり……。そうして「Next Innovationの物件を最優先で紹介したい!」と思ってもらえるような、強い信頼関係を築いていったのです。

最終的には、その会社の「優秀なエース営業マン」を巻き込み、彼らの圧倒的な客付け力によって、4室あった空室は次々と埋まっていきました。

本に書かれたノウハウをただなぞるのではなく、入居者の気持ちに寄り添い、現地の営業マンの心を動かすという「泥臭い実践」を愚直にやり抜いたからこそ、私の1棟目アパートは見事に今年の4月、満室のゴールを迎えることができたのです。

満室の裏側にある「修繕リスク」と堅実な財務戦略

おかげさまで今年の4月に満室を迎えることができた私のアパートですが、購入してからはまだ日が浅いのが現実です。

これから先、突発的な修繕リスクや、長く住んでくださっている部屋の退去が出れば、原状回復などに多額の費用がかかることは容易に予想されます。満室になったからといって、決して油断はできません。

だからこそ私は、「家賃収入にはできるだけ手を付けない」というルールを徹底しています。

将来の大きな出費に対するリスクヘッジ、そして「2棟目の物件」を見据えた頭金の蓄えとして、キャッシュをそのままプールしているのです。

ここで、本書の「ほぼ土地値の物件を狙う」という教えが再び生きてきます。土地としての価値が下がらない以上、毎月の借入金の返済が賃料収入で綺麗に賄えているのであれば、仮に手元に残るキャッシュが最悪「プラマイゼロ」だったとしても、実は全く問題ありません。なぜなら、賃料によって毎月の返済が進むたびに、自分の資産(純資産)がそのまま自動的に貯金されているのと同じ状態になるからです。

この「守りの固さ」と「着実な資産形成の仕組み」こそが、私が実際に一歩を踏み出して体感した、会社員アパート投資の最大のメリットだと確信しています。

最初の一歩を踏み出す勇気をくれる一冊

不動産投資は、決して「楽して儲かる不労所得」ではありません。リスクへの恐怖、築古物件ならではのトラブル、客付けの泥臭い営業……。内情を知れば知るほど、尻込みしてしまう要素がたくさんあります。

だからこそ、私は声を大にして言いたいです。アパート投資は、決して誰にでもできるわけではありません。

自己資金の状況、その人が取れるリスクの許容度、そして何よりライフスタイルや性格によって、向き不向きが明確に分かれます。検討を重ねた結果、「自分にはアパート経営は合わない」と判断し、投資を断念することもまた、立派で適切な「英断」なのです。

大切なのは、世間のブームに流されることではなく、自分に合った適切な判断を下すこと。

もし不動産のリスクが重すぎると感じるなら、無理をせず、まずはコツコツと配当金積み上げを狙う「株式投資(高配当株投資など)」から始めてみるのも、間違いなく素晴らしい選択肢の一つです。どんな形であれ、会社の給料以外の収入の柱を作るアプローチに優劣はありません。

それでも、もしあなたが「一度きりの人生、リスクを背負ってでも一棟モノの世界に挑戦してみたい」と決意するのであれば、本書『まずはアパート一棟、買いなさい!』は、ページが擦り切れるまで読み返す価値のある最高の教科書になってくれます。

本書が教えてくれるのは、単なるノウハウを超えた「自分の人生の主導権を、自分の手に取り戻すための覚悟」です。

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